晴れのひ本舗

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一閑張りについて

和紙から生まれる、
豊かな世界

一閑張りは、見た目の美しさだけで語りきれない、“素材・技・時間”が重なり合って生まれる奥深い工芸です。
「和紙を貼り重ねる」という一見素朴な作業の中には、素材のクセを読み、紙の重なり方で表情を変え、仕上がりの色艶を想像しながら作業を進める――そんな繊細な手仕事が積み重なっています。

晴れのひ本舗が大切にしているのは、
道具としての実用性と、手仕事ならではの温かさの両立。

持ち心地の軽さや丈夫さはもちろん、使い続けるほどに深まる艶や味わいを楽しめるよう、素材選びから仕上げまで一つひとつ丁寧に行っています。

「ただ所有する」のではなく「時間とともに育てていく工芸品」。
それが、一閑張りの魅力です。

一閑張りの始まり

一閑張りの起源は、江戸時代の初期と言われています。
一説によると、明から日本へ渡来した工芸家「飛来 一閑(ひらい いっかん)」が、木や竹の骨組みに和紙を貼り重ねる技法を伝えたことが始まりとされ、その名前から「一閑張り」と呼ばれるようになりました。

当時は、軽くて丈夫であることから日常の道具や器として広く使われ、庶民の暮らしを支える実用的な工芸として親しまれたとされています。やがて装飾性が高まり、茶道具や工芸品としても評価されるようになり、現在まで長く受け継がれる伝統技法として定着していきます。

一閑張りの歴史

一閑張りは、地域によって独自の発展を遂げたとされています。
例えば、京都や北陸では茶道文化と共に育まれ、繊細な意匠が生まれました。また東北地方では、実用品としての色が強く、暮らしの中で自然に馴染む素朴な美しさが引き継がれています。

柿渋による防水・防虫効果と強度の高さから、明治・大正期には農家の道具や籠にも多く使われてきました。
現代では、伝統技法を守りながらも、バッグや小物などファッションアイテムとして再評価され、実用性と美しさを兼ね備えた工芸として多くの支持を得ています。

年月を重ねるごとに表情が豊かになり、持つ人の生活とともに変化していく点も、一閑張りの歴史と深くつながっています。

素材・製作工程

一閑張りは、自然素材の力と、職人の繊細な手仕事が重なり合って生まれる工芸です。
素材そのものの特性を生かしながら、一つひとつ丁寧に形へと仕上げていきます。

主な素材

骨組み(竹・木)

軽くてしなやかな竹、安定感のある木材などを使用します。
製品の形状に合わせて組み上げることで、仕上がりの強度と軽さを支える重要な部分です。

和紙

和紙は一閑張りの“表情”と“強さ”を決める素材です。
繊維が絡み合う構造によって、重ね貼りすることで強度が生まれます。ちぎり貼りの風合い、紙の種類による質感の違いも魅力のひとつです。

柿渋

柿渋は古来から使われてきた天然の防水塗料です。
防水・防虫効果に優れており、和紙と組み合わせることで耐久性も高まります。塗り重ねるごとに色が深まり、時間とともに飴色へと変化していきます。

製作の工程

骨組みの形成

バッグの形に合わせて竹や木を組み上げ、全体の基礎を作ります。

和紙の貼り込み

ちぎり貼り・重ね貼りを行い、模様や質感を丁寧に作り上げていきます。

乾燥

強度と滑らかさを確保するため、一層貼るたびにしっかり乾燥させます。

柿渋仕上げ

柿渋で和紙に深みを与え、塗っては乾かしを繰り返して耐久性を高めます。

最終仕上げ

形の整え、持ち手や内布の取り付けなどを行い完成です。

こうして完成した一閑張りは、驚くほど軽く、丈夫で、
持つ人の暮らしに寄り添いながら長く愛用できる一品になります。